「年寄りは厳しくすれば、やる気が出る」

【萩本】起業するときに小池さんがお尻をたたいて応援してくれたら、頑張んなきゃいけないなあ。

【小池】日本人は非常に勤勉だし、器用だし、いろんな技術を持っている人も多い。そういう人たちが会社を辞めたら居場所を失うのではなく、より能力を生かせる社会をつくっていくのが行政の役割ですよね。そのために、まず彼らの学ぶ場所をつくって、いつまでも元気でいてもらいましょう、というのがそもそもの発想。最終的にはレストランに入ったときにメニューを見るように、たくさんの人生の選択肢があるのが理想です。

【萩本】それはぼくからもぜひよろしくお願いします。でも、チョット待って。その大学はひょっとして誰でも入れるの?

【小池】入学資格は50歳以上で、在学期間は1年間。通学日数は週に3~4日で、専用のラウンジも整備する予定です。

【萩本】なるほど。でもね、お年寄りってお上の言うことには意外と逆らうところがあるから、入り口を広めにするよりも、狭くしたほうが奮起するんじゃないかな?

【小池】「誰でも入れます」ではダメかしら?

【萩本】うん。優しい言葉をかけられるよりも、厳しくされたほうがやる気が出るという人も多いですから。大学に行こうなんていう人は特にね。ぼくも「買ってください」と言われるとかえって「いらない」と思うもの。だから、「ぜひこの狭き門を通ってきてください」と声をかけたほうが、たくさんの方が来る気がする。

【小池】50人しか入れませんとか。

【萩本】それ、いいねえ。そうしたら5倍、10倍と志願者が来ますよ(笑)。「意地でも入学してやろう」という101歳が来るんじゃないかな。

【小池】なるほど。

【萩本】成績も厳しくつけるのがいいんじゃないですか。専用のラウンジも成績が「S」「A」の人しか使えません、とかやってみたらどうでしょう。そうすれば学友たちと「ラウンジ、行ってる?」「俺は17年、1度も入れなかったよ。次の試験は頑張んなきゃ」みたいな会話ができる。

【小池】お年寄りだからってなめんなよ、ってことですね。いいヒントをいただきました。大学のキャッチフレーズも、欽ちゃんにお願いしようかしら(笑)。