YouTubeは対策に乗り出している
では、エルサゲート対策にはどのようなものがあるだろう。
YouTubeは2017年11月に「コミュニティガイドライン」を更新。エルサゲートに代表される、子供に危険を与えかねない動画を禁止し、15万件あまりの不適切な動画を削除したと発表した。またエルサゲートはYouTubeに限定されず、「Youku」や「Tencent Video」といった中国の動画サイトでも同様のものが確認されたことから、削除が行われている。
ちなみにYouTubeはこうした問題に敏感な側面もあり、最近も2019年1月に、危険行為を冒す動画を禁止している。そのひとつに「バード・ボックス・チャレンジ」がある。2019年1月にネットフリックスで公開された人気映画『バード・ボックス』にちなんだもので、映画の主人公と同じように目隠しをしながら危険行為を冒すものだ。
「YouTube Kids」でもすり抜けることがある
ユーザーができる対策のひとつは、「YouTube Kids」アプリを使うことだ。子供向けの動画しか見られないアプリで、不適切な動画を見る確率を下げることができる。とはいえ、それでもフィルターをすり抜ける動画もある。
YouTubeは日々アップされる膨大な量の動画のチェックを機械に任せており、違反報告などが行われた場合に限って人間がチェックしているとみられる。運営者がエルサゲートを不適切な動画だと認識できるように、接触した場合は積極的に違反報告をすべきである。
もうひとつの対策は、親が子供となるべく一緒に動画を見ることだ。これならエルサゲートに気づいた時点で、親はすぐに対応できる。とはいえ、親が子供と常に一緒にいられるわけでもない。エルサゲートという問題に対しては、その動機も対策も明確な答えがないのが現状なのだ。