筆者の経験上、多くの家庭は住宅と教育費の優先順位が最も高いため、お小遣いを削ってこれらの生活費に充てる、あるいは将来の教育費に備えて貯金を確保する形になることが多い。

生活費とお小遣いなんてそんな大雑把な分類で本当にいいのか? と感じた人には、企業の決算書を見れば売上・原価・販管費の3つで営業利益(本業の利益)が計算されていると説明しておきたい。売り上げ規模が数兆円の複雑な大企業でも最終的には3つの項目で利益を計算する。共働きで収入が数百万円から1000万円超程度の家庭が企業より複雑な分析をする必然性はないと断言できる。

筆者が行っている有料相談に訪れる夫婦はわざわざお金を払って来店するくらいだからお金に関する意識が高い人ばかりだ。それでもふるさと納税やiDeCoのような、ちょっと面倒だけどやれば必ずお得なことをやっていない人も少なくない。マネーフォワードのような家計簿アプリの導入も同様だ。これらは早いうちに始めたほうがいいことは間違いない。

家計管理のためにちょっとした面倒くささを乗り越えていただければと思うが、そのきっかけとして住宅購入や住宅ローンの今後をどうすべきか、夫婦で考えるところから始めていただければと思う。

中嶋よしふみ(なかじま・よしふみ)
ファイナンシャルプランナー
シェアーズカフェ代表取締役。著書に『住宅ローンのしあわせな借り方、返し方』など。
(写真=iStock.com)
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