とにかくズボラな人がお金を貯めたいなら、仕組みづくりをするのが早道。毎月の収入の一定割合をセルフカットして別口座に分けてしまうのです。例えば月収30万円なら、2割の6万円を貯蓄専用口座へ入金。残りの24万円でやりくりします。当然、諦めなければいけない支出も出てきますが、それが不要なものを切り捨てる判断力を磨きます。

また、各社からアプリがリリースされている「おつり貯金」もオススメです。これは購入した商品の端数を切り上げて貯金するというサービスで、例えば450円のものを購入した場合、500円で購入したものとみなされて50円が貯金に回されます。

おつり貯金で貯まる額はそれほど大きくはありませんが、金融広報中央委員会によれば約3割が貯金ゼロ家計。少額からでも貯金を始めて、貯蓄グセをつくっておくことは大切です。また、おつり貯金を始めるには家計簿アプリ「マネーフォワード」との連携が必要になることが多く、自動で家計簿をつけてくれるこのアプリを導入することは、現状の把握にもつながります。

おつり貯金のアプリは多数ありますが、シンプルに貯金ができ、手数料のかからない「しらたま」がオススメです。

なお、おつり貯金はキャッシュレス決済が前提です。お金を使った感覚に乏しいキャッシュレスだと使いすぎてしまうという人は、最初に1カ月分の生活費を引き出し、オール現金を徹底。「お金は使えばなくなる」という感覚を肌で覚えるのも一手です。

ズボラな自分と決別するには、この「自分にはどういったやり方で貯蓄の習慣をつけるのが最適なのか」と考えることが必須。それは今までのズボラな自分と向き合うことにほかなりません。そのときが早ければ早いほど、将来の苦しみは少ないはずです。

黒田尚子
ファイナンシャルプランナー
CFP1級FP技能士。日本総合研究所に勤務後、1998年にFPとして独立。著書は『50代からのお金のはなし』など多数。
(構成=プレジデント編集部 写真=iStock.com)
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