お金・性・死の教育をする私立が子供を伸ばす

それでは、上記の4つの力を踏まえ、筆者がこれから中高一貫校で本格的に取り組んでほしいと思う「未来の教科」を紹介したい。それは以下の3つだ。

1 お金の教育

日本人は「金(マネー)」に関することを口にすることをはばかる傾向がある。大学で専門的な勉学に励んだ人もお金に関するノウハウを学んだことがなかった人が大半ではないだろうか。しかし、これは全員が学んでおいたほうが良いことであるはずだ。金利、為替、株、投資、保険、相続、給与システム、各種社会制度、あるいは家計管理、さらにはもっと踏み込んだ「お金儲けの方法」「働くとは何ぞや」「お金の価値」といったことを基本的教養として理解させておくことは、生きていくことにおいて、かなり重要なことになると思う。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/stevanovicigor)
2 性の教育

現在の保健体育の授業の内容では不十分だ。もっと踏み込んで、学習していく必要があると筆者は考えている。男女関係のトラブルやリスクだけでなく、男女の脳(思考法)の違い、ジェンダー教育などを通し、誰もが自身の尊厳を傷つけられないようにするための学びである。

3 人生の四季教育

大半の家庭が核家族で、しかも病院で死ぬケースが多い現在では、人が死にゆく姿を目にすることは稀である。大多数の日本人にとって「死」は遠い存在だ。だからこそ、若いうちに、人は生まれてから、どのように成長し、どうやって老いていくのかを学ぶことで得るものもまた大きいように感じる。

人間を含めた生物の致死率は100%。この当然すぎることを改めて、学習することにより、「今をどう生きるか?」の連続が「人生」なのだという気付きを与えられるのではないか。それにより、自身の人生はもちろん、他人の人生についても尊重できる人になれる。

以上、期待を込めて3つの「新科目」を予想してみたが、いかがだろうか。今後の中高一貫校は、こうした「真の教養」の獲得を目指す方向に舵を切るのではないだろうか。

もちろん、上記は筆者の私見である。中学受験を目の前にする保護者さんは今一度、わが子に付けさせたい力を、偏差値とは別の角度で吟味することをお勧めしたい。くれぐれも各学校が打ち出すキャッチコピーに安易に流されず、学校の本質を見抜いたうえで、わが子の特性・個性に本当に合った、「ミスマッチのない学校選び」をすること。それが親と子の幸せな未来につながるはずだ。