よりよい方向へ、寝ながら脳が考える!

手軽にできるものとしては、夢日記もいいですね。私はカウンセリングの方法として、クライアントさんに夢日記をつけてもらうこともあります。どういうタイミングでどんな夢を見たかを、その時期に現実に起こった出来事とマッチングさせていくのです。

すると、悪夢ばかり見るクライアントさんは、ストレスを受ける出来事があるたびに悪夢を見る割合がはね上がり、問題が解決していくにつれてその頻度もどんどん落ち着いていくのです。例えば、裁判を抱えた人。事態が収束していくにつれて、だんだん悪夢も落ち着いていくことがあります。さらに、自分なりの納得のいく結論になれば、あまり夢も思い出さなくなったりする。夢日記には、書き出すことによって自分の心理状態を客観化できる、という効果があります。

なぜ夢を見るのか、夢にはどんな効果があるのか、というのは、専門家のあいだでも意見が分かれています。記憶にあるもののうち、いらないものを消しているという人もいれば、いるものを大事に取っておくために再処理していると考えている人もいる。あるいは、将来に向かってシミュレーションをしていると指摘している人もいます。

私自身は、夢にはいろいろな側面があると考えていて、そのうちの1つとして、シミュレーションしている、というのは妥当なのではないかと考えています。特に、私はクライアントさんの夢を聞くと、やはりそのように感じます。

例えばクライアントさんたちが快方に向かっているとき、実際の生活が平穏になっていくよりも先に、夢見のほうがよくなっていくことがあります。これはおそらく、心の中で、事実や現実に基づきながら、自分がよりよい状態になっていくシミュレーションをしているのでしょう。そして、それが現実になる。

嫌な夢を見ても、特に嫌なことが起こる予兆でもないし、気にしすぎることもありません。むしろ、現実がうまくいくように脳の中でシミュレーションしている、いい方向に向かうように努力している、と捉えたほうがいいと思います。