▼服装のポイント 目立つべきか、定番お受験服にするか

学校への賢いアピール方法

面接時に親子は何を着ていくべきか、伸芽会教育研究所もジャック幼児教育研究所も「学校側は服装で落とそうなどとは考えていない」と口を揃える。実際に過去に親子でお揃いの茶のワンピースで臨み、合格した親子もいるという。それでも毎年似たような紺の“入試服”で多くの家庭が臨むのは、子どもが1人目立つ服装をすれば、自然と周囲の子どもから注目され、余計な緊張感で泣き出してしまう子もいるからだ。

23年にわたりお受験用品専門店「マムエモア」を営む郷司泰子氏に選んでいただいた服装を見ていこう。スタッフみなが子どもの小学校受験の経験者であるうえ、入学準備のために合格者も来店するため、最新の入試情報に合わせて細やかなアドバイスができるのだという。受験にはどんな服装がよいのか。

「『きちんと見えて動きやすいもの』、これが大前提です。基本的に受験会場に行った服装で運動考査が課されますので、服装が鍵になります。女子校はジャンパースカートが、早稲田、青学、成蹊、成城などの共学校の女子はキュロットスタイルが主流です。男の子と一緒に雑巾がけやドミノゲームをするための配慮です」(郷司氏)

着替えのある学校ならスムーズに着替えられる前開きのファスナーの服、楽に脱ぎ履きできる靴を選ぶなど、子どもの立場に立った選び方が大切だ。

受験する学校へのアピールとして、学校カラーを取り入れるのもよいという。例えば慶應受験なら、学校カラーの赤と紺のラインが入った体操着にするのもいい。

親の服装で気を付ける点はどこか。

「とにかく“控えめな服”に尽きますね。お母様はリボンなどの装飾性は一切排し、立ち姿がエレガントで、座ったときに膝が見えないAラインの紺色の服。靴やバッグ、傘もノーブランドの黒で、校庭にザクザク穴を開けるピンヒールや、折り畳み室内履きもNGです。お父様は紺の無地のごくオーソドックスなスーツとネクタイと、先が丸いストレートチップの黒の紐靴がベストです」(同)

「外見は好印象を与える大切な要素」と語る郷司氏だが、「同時に日常でやるべきこともある」と言葉を添える。

「横浜雙葉などの試験では、お弁当を食べる時間もあり、食べ方の癖も出ます。そもそも体形から日頃の食生活もわかってしまう。基本的な食育やマナー、お子さんの心身の健康面への配慮なども大切です。結局は至極まっとうなことをしているご家庭が合格するのがお受験なんです」(同)