なぜ、中年になると女性が元気になるのか

40代から50代のミドル世代は経済的な制約が多いせいで、他の世代と比較して幸せそうな人が少ないように感じる。事実、日本では49.8歳が最も幸福度が低いことが明らかになっている。実はこの世代の幸福度が低いのは日本だけでなく、世界中で40代から50代世代の幸福度が低いことを、イギリス人の大学教授ふたりが立証した。

イギリスのウォリック大学のアンドルー・オズワルド教授と米ダートマス大学のデービッド・ブランチフラワー教授が、幸福度と年齢に相関関係があるという研究結果を発表した。両教授は80カ国200万人以上を対象に調査し、40歳から50歳までの人は、20代、30代の若年層や60代以上の高齢層と比べ、幸福度が低いことを突き止めた。

この傾向は日本、英国、米国など先進国から発展途上国までほとんど変わらず、社会・経済的地位、子供や離婚経験の有無なども関係なかった。

40代に入ると男たちは仕事に脂が乗り、以前に増して仕事に注力する人が増える。それが50代になると今いる会社で先が見えてしまった人とそうでない人とに分化し、前者の背中には哀愁が漂うようになってくる。

「いい豆で淹れても、パパ味わかんないもん」

同世代の女性たちは次第に子供の手が掛からなくなり、自分の時間が生まれる。仕事に没頭する夫とは別に、有意義な時間の過ごし方に次第に長けていく。

平日の昼間、この世代の女性たちが連れ立ってランチタイムに人気のレストランに出掛け、あるいはウインドーショッピングなど散策を楽しむ姿をよく目にする。同じように時間が生まれた者同士だから、彼女たちの会話は弾ける。

彫金教室の帰りにカフェでお茶を飲んでいるふたり組みのマダムがいた。次回作るブローチのために、どの石を買おうかという相談している最中だ。第1候補はタンザナイトで、欲しいだけ買うと石代は12万円ほどになり、さらに18金の地金は7万円くらい必要になるという。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/shapecharge)

ところが夫には「ガラス玉とメッキよ」と話すという。さらに「ウチのパパは、ジュエリーの値段なんて知らないから、説明しても無駄」とのたまう。夫の話はさらに続き、「パパのコーヒーは、いつもアタシの出がらしよ。いい豆で淹れても、パパ味わかんないもん」と笑っている。

人生の前半戦で男たちが微妙な岐路に立っている時、女性たちはすでに後半戦に向けて、有意義な時間の過ごし方を、夫抜きで、しかも自力で見つけ始めている。