大ヒット漫画『進撃の巨人』。作者の諫山創氏は、各回の下書きを描く際、約4日間、ほぼぶっ通しでペンを走らせる。これまで心身を削りながら描いてきた物語は、いま最終回に向けて動きつつある。ただし諫山氏は「ちゃんと完結させられるか責任を感じている」と語る――。
(写真提供=毎日放送)

ハリウッド実写化も決まった『進撃の巨人』

人間が次々と巨人に食いちぎられるという残酷で強烈な描写と、独特な世界観のストーリーで読者に大きな衝撃を与えた漫画『進撃の巨人』。物語の舞台は、人食いの巨人が地上をのし歩き、残されたわずかな人類は大きな城壁の中でおびえて暮らす世界だ。大型巨人の出現で壁が崩されたことで、巨人と人間による生き残りをかけた壮絶な闘いが始まる。ダークファンタジーの要素の中に、リアリティーあふれる人間描写が描きこまれ、その圧倒的な迫力が読者を惹きつけてやまない。

11月18日放送のドキュメンタリー番組「情熱大陸」では、作者の諫山創が連載10年を経て、物語をいよいよエンディングへと向かわせるさまに7カ月間密着した。壮大な物語が生まれる源泉や、「最終コマ」のイメージが番組内で明かされた。

「完結させられるかに責任を感じる」

そもそも、巨人が人を食べるという発想はどこから生まれたのだろうか。

【諫山】「映画の『ジュラシック・パーク』かもしれないですね。でっかいのに食べられるとか。あとは漫画の『地獄先生ぬ~べ~』で、人食いモナリザの回っていうのがあるんですけど、牙じゃない普通の人間の歯で食べられるっていうのがなんともエグイなと思いまして」

コミックの発行部数は7600万部を超え、世界180カ国で展開している。近年ハリウッドで実写映画化されることも決定した。だが諫山は、驚くことを口にした。

【諫山】「今はちゃんと完結させられるかどうかっていうところにプレッシャーというか責任を感じていますね」

『進撃の巨人』が今、終わろうとしている。