別の祭り企画にもデッチ上げの事実があった
この『イッテQ』のヤラセ問題は、ラオス側が対応を協議しているという報道もあり、国際問題にまで発展しそうである。
日テレ側の「誤解を招く表現があり反省すべき点があった」というだけでは、事態は収まりそうにないと思われた。
日テレ側の対応をあざ笑うかのように、文春は次号(11月22日号)で、別の祭り企画にもデッチ上げの事実があったと報じてきたのである。
それは昨年2月12日に放送された2時間特番『宮川手越2人で挑む奇祭カリフラワー祭り』。
タイの首都バンコクからクルマで6時間かかる避暑地の村で、「カリフラワーの収穫を祝う祭りが年に一度開かれる」として、村人たちが二人三脚で泥沼を駆け抜け、20キロのカリフラワーを収穫するスピードを競った。
宮川大輔と手越祐也がタッグを組んで参加したこの回は、同番組の視聴率歴代7位の22.2%を記録したという。
撮影許可申請には「野菜の収穫競争」として届け出
だがこの村の村長は、テレビ番組のコーディネーターを夫に持つ地元住民から、「日本のテレビ局の撮影があり、スポーツ交流大会が行われる」としか聞いていないと、文春に話している。
当日会場になったカリフラワー畑を所有する地主の1人も、「あのゲームは、あの時が最初で最後」だと証言する。ここでも優勝者や参加者には、賞金やマウンテンバイクなどの賞品が出ていた。
しかも、現地当局への撮影許可申請には「野菜の収穫競争」として届けを出していることを、文春側は確認している。
万事休す。文春発売前日、日テレ側は白旗を掲げ、祭りをデッチ上げたことを認めざるを得なくなってしまったのである。
「番組の意向でコーディネート会社が主催者になったイベントとして開催したケースがあった」「開催費用や賞金などが支払われていることもあった」と認め、「確認が不十分なまま放送に至ったことについて、当社に責任がある」と謝罪した。
日テレは、この番組をドキュメンタリーバラエティと銘打ち、「ウソとヤラセの完全排除」をうたっていた。だが、「神ってる」かのように高視聴率を誇っていた『イッテQ』が、ウソとヤラセにまみれた“堕天使”になってしまったのである。