したたかな北朝鮮にトランプ氏はどう出るか

核と核を飛ばすミサイルを持つ北朝鮮は現在、アメリカに揺さぶりをかけてなかなか実務者協議には応じようとしない。

そんな中、ホワイトハウスでの記者会見でトランプ氏は北朝鮮が求めている経済制裁について次のように語った。

「解除してあげたいが、北朝鮮もこちらの要求に対応する必要がある」

さすがアメリカきってのビジネスマンである。ウイン・ウインの関係を北朝鮮にも求めている。

しかし北朝鮮はそれ以上にしたたかだ。今後、アメリカ議会のねじれをうまく利用し、トランプ政権の弱いところを突いてくるはずだ。

以前にもこの連載で指摘したが、北朝鮮の金正恩氏はロシア疑惑についてかなりの情報を握っていると思う。水面下でその情報を使ってトランプ政権に揺さぶりをかけているはずだ。

事実、金正恩氏はこれまでに数回、自らロシアに渡っている。そこでトランプ氏のスネにある大きな傷を見つけないはずはない。

「大統領が、敵と味方に国を裂く張本人だった」

中間選挙の結果が出ると、新聞各紙は11月8日付で一斉に社説のテーマに選んだ。

朝日新聞の社説は「異様な選挙だった。罵倒とウソが乱れ飛び、人びとの憎悪と恐怖心をあおる。全国民を代表するはずの大統領が、敵と味方に国を裂く張本人だった」と書き立てる。

「異様」という表現などやや感情的で、もう少し冷静に分析して論じてほしいとは思うが、これがいまの朝日社説の限界なのだろう。

「米国の分断は、いっそう深まっている」と指摘した後、「この国の政治は引き続き視界不良のままだろう。日本を含む国際社会は、その認識のもとで対米関係と世界秩序を守る方策を考えねばなるまい」とも書く。

米国経済では「政治」が慢性的な懸念材料に

朝日社説は「両院の分断は、ますます政治の機能不全を招くはずだ。果てしない政争の敗者は、ほかならぬ国民である。今は好調とはいえ米国経済は、妥協を見いだせない政治が慢性的な懸念材料と市場から目されている」と指摘する。

犠牲になるのはアメリカでも国民なのである。朝日社説は主張する。

「この選挙を機に米国議会は、大統領への監視と抑制を働かせる重責を取り戻すべきだ」
「問われているのは、米国が世界に自負してきたはずの多様な民主主義の再建である」

見出しも「民主主義を立て直せ」だ。沙鴎一歩もアメリカには民主主義を取り戻してほしいと思う。