刑務所の月給は500円!
考査訓練を終えると、分類審査が行われ、ようやく工場で作業ができるようになる。作業報奨金という金がもらえるようになるのだ。この作業報奨金は、作業等工により違ってくる。
作業等工は、作業に対する受刑者の技能、作業成績、就業態度に基づき、1等工から10等工までに区分されており、最初は原則として10等工に編入される。その後、標準期間を過ぎてから技能や作業成績を審査して、順次上位の作業等工に昇等する。しかし成績によっては、昇等標準期間にかかわらず、昇等したり、逆に降等したりすることもある。
ちなみに、俺が服役していた平成22年は以下のようになっていた。
9等工(1カ月・7.70銭)
8等工(2カ月・10.10銭)
7等工(5カ月・12.70銭)
6等工(4カ月・16.40銭)
5等工(5カ月・18.40銭)
4等工(6カ月・22.80銭)
3等工(7カ月・27.70銭)
2等工(8カ月・34.30銭)
1等工(9カ月・43.50銭)
※( )内は標準期間と時間給としての作業報奨金
入所して2カ月くらいは10等工のため、1カ月500円ほど、1年たっても1000円前後の報奨金にしかならない。作業自体はシャバの仕事と変わりなく、きついだけで、金にもならないから刑務所は大変だと思い知らされる。
しかも、きつい作業をしても食事の量は少なく、カロリーも米の量も決まっている。肉体労働はA食で1600カロリー、腰掛けて行う作業はB食で1300カロリー、処遇預かり、つまり調査懲罰の人や休養した人たちはC食で1200カロリーになる。
刑務所では食事の量は少ないし、甘いものがないのでほとんどの人が痩せてしまう。食事の配分をめぐってけんかになることもしばしばで、それで懲罰になる人が、1カ月の間に必ず何人か出てくるほどだ。