自分は会社勤めだから、起業や経営は関係ないと思い込んでいる人は、事態を客観的に見ていない。実際には、自分の自由になる時間をどう使うかが、人生の投資であり、経営そのものである。
人生の投資は、いつどんなリターンがあるのかはわからない。英語の勉強をして、それがどのように将来の仕事に結びつくのか。プログラミングを学んで、それがどう生きてくるのか。それを推理するのが、人生の経営感覚である。
人生の活動の無限の可能性の中から、何を選び、どれくらいの時間をかけるのか。その選択をするのは、「あなた」である。その意味で、「あなた」は自分の人生の経営者であり、起業家なのだ。
自分の人生の経営や起業は、会社に勤めていてもできる。普通に学生をやっていても、主婦や主夫をしていてもできる。そう考えたら、肩の力が抜け、自分の人生の選択が楽しくなってくるのではないか。
毎日の人生の中で、小さな選択、決断の積み重ねをすることが、いつか本当に「起業」したり「経営」したりすることに結びつくかもしれない。
「起業しなきゃ」というプレッシャーはかえって不自由だ。「会社員でも人生の起業はできる」という発想の転換を、おすすめするのである。
(撮影=横溝浩孝 写真=PIXTA)