安倍氏も異論はないし、石破氏も許容範囲
しかし、それに食らい付くと「総裁選の対応は、安倍氏と話がついていたのではないか」などと、痛くもない腹を探られかねない。石破氏側との関係もこじれてしまうだろう。
重要ポストについても無役になっても角が立つ。そこで、小泉氏は自ら「部会長」というビミョーなポストを求めたという推理が成り立つ。安倍氏も、このポストに小泉氏を起用することに異論はないし、石破氏も許容範囲だ。
「全世代型社会保障」の議論の中で、マスコミは小泉部会長の動向を追い続けるだろうから、小泉氏にとっても悪いポストではない。この厚労部会長というポストは、安倍氏と石破氏と小泉氏の関係のバランスを考えると絶妙だったといえる。
「沖縄知事選では以前ほど人が集まらなかった」
小泉氏は、今回の人事を通じて安倍氏と石破氏の間で、うまく立ち回ることに成功したようだ。総裁選での対応といい、考えに考えた、老成された対応ともいえる。
ただ、やはり分かりにくさがついて回る。父親・純一郎氏譲りの歯切れ良さが売りだった小泉氏。今回の「大人の対応」が、世論にどう映るか。小泉氏の人気に陰りが出ることになりはしないか。
そういえば、ある自民党幹部は9月30日の沖縄県知事選が終わった後、こんな話をしている。
「知事選では小泉氏が現地に入って演説をしたが、以前ほど人が集まらなかった。彼の人気も曲がり角に来ているのかなあ」
(写真=時事通信フォト)