性格に合わせて訴求する新型の広告サービス
【田原】ミライセルフはいま従業員が何人ですか?
【表】正社員は10人です。
【田原】まだ企業を中心にユーザーを増やしていく段階のようですが、将来はどうしますか。たとえば省庁や地方自治体もターゲットになる?
【表】話はしています。まだ正式にはご利用いただいていませんが。
【田原】海外はどうですか。
【表】海外はまだです。たとえばアメリカは、合わなかったらすぐ辞める文化なので、採用時にそこまでカルチャーフィットを気にする必要がありません。逆に解雇規制が厳しいヨーロッパは、日本以上に可能性があるかもしれません。あとアジアですね。いずれにしても英語対応が可能な仕様にはしています。
【田原】人材分野以外への展開はありえますか。
【表】ミライセルフのビジョンは、一般的なベンチャーにありがちな明るいものではなくて、「仕事の領域からミスマッチをなくしたい」というちょっと暗めなもの。でも、だからこそ地に足をつけてしっかりとやっていきたいですね。一方、ビジョンを実現した先には、性格データと個人の情報を活用して、ほかの領域における適材適所も進めていけると考えています。
【田原】たとえば?
【表】広告は可能性を感じますね。挑戦的な性格の人には挑戦的な広告メッセージが効果的だろうし、論理的な人と感情的な人でも響くメッセージは違うはず。年齢や性別、購買履歴だけでなく、私たちが持っているデータを活かせば、広告分野でのミスマッチも解消できる。将来、そこまでいけたらおもしろいですね。
表さんから田原さんへの質問
Q. この道で生きていくと腹をくくった瞬間は?
原点は小5のときの敗戦です。1学期まで、教師は「この戦争は正義の戦争で、君たちも天皇陛下のために名誉の戦死をしよう」と教えていました。ところが夏休みに敗戦を経て2学期に入ると180度変わった。それまで英雄視していた東条英機は悪人で、逮捕も当然だという。この経験から、大人は信用できない、自分の目で見たものだけを信じようと、ジャーナリスト志望になりました。
カルチャーフィットでいえば、入社したのがテレビ東京というのもよかった。テレビ東京は“テレビ番外地”と呼ばれて、スポンサーさえ見つけてくればどんな企画も通りました。NHKや朝日新聞に入っていたら、きっと普通のサラリーマンになっていたんじゃないかな。
田原総一朗の遺言:敗戦の夏が僕の道を決めた