イーロン・マスクや堀江貴文などの起業家・投資家が興味を示す宇宙産業。日本に世界で初めて、人工流れ星のビジネス化に挑戦する女性経営者がいる。ゴールドマン・サックスに勤めていた彼女が、宇宙ベンチャーをはじめた原点とは──。

ホーキング博士が教えてくれた宇宙

【田原】岡島さんは人工の流れ星をつくってビジネスにしようとしている。宇宙や星に興味を持ち始めたのはいつからですか?

【岡島】宇宙に興味を持ち始めたのは、中学生のころです。『ホーキング、宇宙を語る』を読んで、宇宙ってすごいなと。宇宙といっても、星座はあまりわかりません。関心があったのは、ビッグバンやブラックホール。私たちが知っている物理の法則を超えた何かがあるというスケールの大きさに魅かれました。

【田原】東大の天文学科にお入りになる。何をやろうとしたんですか。

【岡島】最初は、宇宙がどうしてできて、どうなっていくのかという宇宙論を組み立てる勉強をしたかったんです。でも、理論は本当に頭がよくないとできなくて、私はついていけませんでしたけど(笑)。

【田原】でも、大学院に進んだ。院では何をされたのですか?

【岡島】研究テーマは観測的宇宙論。宇宙論はさまざまな理論で構築されていますが、その確からしさを観測で証明するのが観測的宇宙論です。

【田原】観測したら理論が間違っていることもあるわけだ。

【岡島】たまにそういうこともあります。だいたいは理論を裏付けるデータが出てきますが。

【田原】その分野はどの国が進んでいるんですか。

【岡島】アメリカです。天文学の研究は望遠鏡にお金がかけられる先進国でないと難しくて、中心はアメリカとヨーロッパ、日本です。