流れ星で、町おこしをする
【田原】放出装置はロケットで宇宙に運ぶのですか。ロケットも自前?
【岡島】いえ、ロケットは外から調達してきます。
【田原】調達してくるにしても、ずいぶんとお金がかかるでしょう。
【岡島】そうですね。ロケットは、打ち上げの2年前から費用が発生します。人工衛星も部品から調達しなくてはいけないので、億単位でお金がかかる。両方合わせると、人工衛星一基打ち上げるのに十数億円。すでに2号機の準備も始めているのでさらなる投資が必要です。
【田原】そんなにかかるんだ。そんなお金どうやって集めたんですか?
【岡島】いまもまだ集めている途中です。いまのところ個人投資家さんが多いですね。
【田原】個人投資家ですか。科学的な実験として意味があるのはよくわかるけど、これはビジネスにならないでしょう。それでもお金を出すって、岡島さんの説得力がすごいのかな。
【岡島】いや、私たちはもちろんビジネスにするつもりです。それだけじゃなくて、いままで軍事中心だった宇宙空間を、日本のスタートアップがエンターテインメントで平和利用しようとしているのがおもしろいといって応援してくれる投資家さんも多いんです。
【田原】エンターテインメントですか。
【岡島】私たちは天然のものでは見えない景色をつくります。その景色を3000万人の人が見上げている。それってエンターテインメントになると思いません?
【田原】ビジネスになるということを具体的に教えてもらえますか。お金を出すお客さんは誰なの?
【岡島】2パターンがあります。1つ目は、流れ星を直接買ってくれるお客様。たとえば「星降る都市」というようなシティプロモーションをしたい自治体や、開会式などの式典や野外フェスで流れ星を演出に使いたいイベント主催者、あとは園内で星を毎週流したいテーマパークなどが想定されます。すでにいくつか打診いただいているところもあります。
【田原】なるほど。もう1つは?
【岡島】私たち自身がイベント主催者になるパターンです。200キロ圏内のあちこちで、流れ星とコラボして完成するイベントを開きます。アイデア段階ですが、たとえば野外で能をやっている方から、夜桜能みたいにコラボしてみたいという話をいただいたこともあります。