働く世代を中心に人気が高まるAI・ロボットによる全自動投資サービス。「ウェルスナビ」は約8万人が利用し、預かり資産は900億円を超える。東大、財務省、マッキンゼーを経て起業した経営者の考える資産運用の未来とは──。

財務官僚を辞めた最大の理由

【田原】柴山さんは大学を卒業して大蔵省、いまの財務省にお入りになる。財務省は省庁の中でも格が高いと言われています。どうしてお選びに?

【柴山】大学時代は人生の進路に迷いがありました。2年生のときにはコンサルティング会社のベイン、3年生のときにはマッキンゼーでインターンをしました。でも、自分には合わないなと。大学で法律を勉強していると、社会全体の課題をどう解決するのかに関心が向かいます。そのせいか、特定の事業を伸ばすコンサルの仕事に興味が持てなかったのです。4年生になると長野の農家でインターンをしたり、学者になることを考えたりして、迷走していました。