文系より理工系のほうが「仕事と家庭の両立しやすい」
筆者自身も多くの企業を訪問して、研究・開発・設計などの職務で、企業が理工系女性の働きやすい職場づくりに取り組んでいることを実感しています。例えば、多くの理工系女性が就職先に選択するIT・情報通信では、「テレワーク」の導入に熱心です。
最後に
本稿では、文系女性と理工系女性で比較を行い、理工系女性のほうが「総合職や専門職として採用される」「新卒で就職した会社での定着率や出産後の就業継続率が高い」「やりがいのある職場環境に恵まれやすい」などの傾向があることを紹介しました。
日本は先進国の中でも、理工系の女性が相対的に少ない国です。その原因のひとつは「仕事と家庭の両立が難しいというイメージがあるのではないか」と考えていましたが、調査結果に基づけば、むしろ文系より理系のほうが両立がやりやすい状態にあるようです。一部の女子学生は、理工系の職種を敬遠していると聞きますが、それはもったいないことではないでしょうか。
今後、職場環境がさらに整い、理工系女性として活躍する先輩の姿が女子学生の目にとまるようになれば、「リケジョ」の社員も増えていくはずです。理工系の分野で、女性の進出が進むことは、日本にとってもプラスとなるはずです。これから進学先を考える中高生の皆さんには、ぜひ理工系の学部も検討してもらいたいと思います。
(写真=iStock.com)