人はどんなときに不満を感じるのか

心理学における良いコミュニケーションとは、相手の気持ちをいかに尊重できるかどうかにかかっています。とくに自尊心を傷つけられれば、人は不満を感じます。そして自尊心を抱くポイントは、人によって違う。その違いを見抜ける人こそ、デキる上司なのです。けれど、特定の上司にゴマをすっていればよかった人にはそれがわかりません。

また、パワハラ上司の多くは自己愛性(ナルシシズム)が強く、自分がほかの人より優れていると誇張したがる傾向にあります。自分のアイデアに過剰な自信を持ち、他人はそれに従うべきと勝手に思い込んでいる。そのタイプは、自分から見て「劣っている人」を見ると攻撃的になりやすいのでさらに厄介です。

では、そんな上司に部下はどう応じたらいいのか。普通なら、「上司の上司」に相談することも考えられますが、きちんと人を見抜ける上司ならパワハラ上司の暴走を抑制できたはず。すでに、「上司の上司」もパワハラ上司に取り込まれている可能性が高いと考えるべきです。

パワハラが明らかなら、総務や労働組合など職場の然るべきところに相談することが大切です。その際に重要なのは、同じ立場の仲間を募ること。上司と職場で1人対立することは、あなたの職場環境をさらに悪くしてしまいます。

岡本真一郎
愛知学院大学心身科学部心理学科教授
岐阜県出身。『悪意の心理学』『言語の社会心理学』(いずれも中公新書)など著書多数。
(構成=伊藤達也 写真=iStock.com)
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