ヤマダが目指す「家電を通じて生活提案できる人材」とは

(2)ソーシャルメディア戦略の立案

ソーシャルメディア戦略としては、「傾聴戦略」と「会話戦略」を提案しました。傾聴戦略は、ソーシャルメディア上の顧客の声に耳を傾け、そこから顧客のインサイト(深層心理に対する洞察)を抽出し、ビジネスの改善につなげていくアプローチのことです。

この戦略では、やみくもに口コミを読み込むことは効率的ではありません。あらかじめ分析軸(例:キャンペーン効果分析)と分析手法(例:センチメント分析やキードライバー分析)を設定しておくことが重要になります。

会話戦略は、ソーシャルメディア上で顧客と会話を行うことによって、企業と顧客の関係を強化し、ロイヤルティを向上させるアプローチです。この戦略は、特に批判を減少させたいときに有効です。ネガティブな口コミに対して、その不満への解決策などを示すメッセージを企業が顧客へ直接送ると、その人は今後その企業に対するネガティブな口コミをすることがなくなり、その企業への好感を持つようになるという研究結果があります。

(3)実店舗独自の提供・実店舗での体験

ヤマダ電機が目指す「家電を通じて生活提案できる人材」は、店舗において顧客の状況要因(外的要因として顧客の予算制約や時間的プレッシャーなど、内的要因として顧客の持つ目的や価値、専門知識力など)を聞き出し、そこに販売員が持っている製品の機能や使用感の知識を交えたうえで、顧客にフィードバックすることが求められます。

そのカギとなるのがコミュニケーション能力です。

そこで、臨床心理学者のカール・ロジャーズが提唱する「積極的傾聴法」(相手の気持ちや考えを、相手の立場に立って理解する態度)を軸にした「生活提案資格級」を創設し、ヤマダ電機の行っている評価制度に加えることを提案しました。そうすることで、個々の顧客に応じた「独自の提供」(接客対応)をすることが可能になり、顧客の「実店舗での体験」を満足のいくものにすることができると考えました。