常識破り その1:ネットで売られた廃校
オーナーである谷本勲氏が、NHKの朝の番組で「ヤフーオークションで廃校が売られる」というニュースを見たそうです。谷本氏は放送から2日後には現地に入り、廃校を購入。リノベーションして美術館にしました。
常識破り その2:自然光が入る
元小学校だから窓が多い構造になっています。それを改装しないまま、「自然の光」を取り込む美術館にしました。普通の美術館では美術品が痛むからやりませんが、自然の中にある美術館なのに、自然の光を排除したら意味はないと実行しました。
常識破り その3:明かりはセンサー式
各部屋、通路も人が通ると自動点灯する仕組みで、電気がつけっぱなしということがありません。また点灯・消灯などの作業も一切必要ありません。
常識破り その4:警備員がいない
各部屋はすべて多数のセキュリティカメラで遠隔監視しています。通常の美術館のように警備員を配置すれば25人くらいの雇用が必要なところを1人で済ませています。
常識破り その5:開業時からずっと写真・動画なんでもOK
8年前の開業時点からずっと、写真や動画の撮影もOKです。SNSでの拡散が期待できることもあって、最近でこそ国内の美術館でもインスタグラムへの投稿が許可されることが多くなりましたが、当時は「非常識だ」と非難されたそうです。
美術館の中には自然光が入る(写真=筆者提供)

ディマシオ美術館は民間人が廃校を買い取り、民間資金でリノベーションして作った美術館です。普通ではない運営を徹底することで、効率的な経営を実現しながら、制約が少なく、見に来た人にストレスを与えない独自の環境が整っています。オマケの常識破り情報として美術館2階に副館長である「猫」も住んでいることを付け加えておきます。