駅から1分離れるごとに成約単価が下がる傾向

上位15%に入るのは、東京をはじめとする主要都市の中心部で、駅から徒歩7分以内の物件だ。たとえば東京都心7区(千代田、中央、港など)でも、築年数より駅からの距離が重視され、駅から1分離れるごとに成約単価が下がる傾向にある(図3参照)。また、千葉県流山市のような独自の子育て支援で人口が増えているエリアも上位15%に含まれ、同様のエリアを研究する価値は十分にある。

一方、必ず浮上する持ち家か賃貸かの問題だが、「上位15%のエリアにあるような資産価値が中長期的に下がらない物件、3000万円で買ったマンションが20年後も同じ価格で売れるのであれば買ったほうがいい。貯蓄と同じだからです」との回答を長嶋さんは示してくれた。

マンションは新築・中古それぞれメリット、デメリットがあるが、都心では割安な中古に人気が集まり始めている。「立地にもよりますが、中古マンション価格は今後も総じて維持ないし上昇する傾向にあり、リスクは相対的に低いでしょう」と長嶋さん。ただし、中古マンション購入の際のポイントの1つは、管理組合の運営状態だ。

「管理組合がしっかり機能しているマンションは資産価値が下がりにくい。組合の議事録を見せてもらったり、住人へのヒアリングをおすすめします」という長嶋さんの教えを守りたい。

長嶋 修(ながしま・おさむ)

さくら事務所 創業者会長
1967年生まれ。業界初の個人向け不動産コンサルティング会社であるさくら事務所を設立し、代表取締役会長も務める。『5年後に笑う不動産』など著書多数。

 
(撮影=渡邉茂樹)
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