この先5年、日本経済はどのように変わっていくのか。雑誌「プレジデント」(2018年7月2日号)の特集「あなたは今、何を学ぶべきか」では、6つのポイントにわけて識者に解説を頼んだ。第4回は「金融バブル」について――。(第4回、全6回)

PART4:金融バブル 日銀の「微調整」で日経平均は1000円下落も

2013年4月から始まった「異次元の金融緩和」(図1参照)が、行き詰まりを見せ始めた。これまで株高などの“金融バブル”を演出してきただけに、その崩壊も懸念される。

日本銀行はデフレ脱却に向けた「消費者物価の安定的な2%上昇」との目標を掲げ、達成時期の予想も明示。しかし、6回も先延ばししたうえ、18年4月には景気や物価の見通しを示す「展望リポート」から目標達成時期を削除した。金融政策に詳しい東短リサーチ社長の加藤出さんは次のように説明する。

「最近の消費者物価指数(CPI)を見ると、価格変動が激しい生鮮食品を除いたコアCPIは前年比約1%増、生鮮食品とエネルギーを除いたコアコアCPIは同約0.5%あたりで推移し、目標の2%とはかなり乖離があります(図2参照)。目標達成時期の先送りがこれ以上続けば、かえって市場の信認を損ねると判断したのでしょう」