我々は常に需要を創造する会社
マーケティングなど市場調査では、本当の不満を汲み上げられない面もあります。「今あるもの」をマーケットと言うわけで、ないものをマーケットとは言いません。しかし、ユーザーの不満を解決するためには「今ないもの」を新たに提示しないといけない。
我々は常に需要を創造する会社。ですから、市場調査を参考にはしますが、重視はしません。「どこまでユーザーインできるか」――端的に言えば、企画書に必要なのはその視点だけなのです。
他の社員の業務日報も、見られるわけ
新商品開発会議でさまざまな部署の関係者が参加して情報を共有するように、業務日報による情報共有も大切にしています。弊社は多岐にわたる部門の仕事があります。隣の部署の人間が何をやっているのか。たまたま顧客が同じでも、部門が違うと異なる意見があったりする。だから、横断的に情報を共有しなければいけません。
そのため、グループを含めた約1万2000人が毎日、業務日報をつけています。もちろん、立場によってアクセス制限はありますが、ほぼ全社員の業務日報を、社内ネットワークを通して見られるようにしています。
業務日報は、以前は「デイリーレポート」と呼んでいましたが、2年前から「ICジャーナル」と名前を変えました。単に「誰にいつ会いました」「これだけの売り上げが上がりました」というのは報告(レポート)です。でも、大切なのは自分の意見や考えを述べた情報だからです。
毎日負担なく書けるよう、文字数は200字に制限していて、「いいね!」もつけられるので、いわば社内SNSですね。
私も「直感力があるな」と思った人や、部署のキーパーソン、普段やりとりできない海外の社員など100人ほどを日々チェックしています。お客様の不満は何か、今後何をすべきか、参考になる意見の場合は、私も「いいね!」を押しています。