SNS・メール
相手の勝手なペースに、巻き込まれない
どうでもいい内容のメールを頻繁に送ってきたり、SNSでの反応を強制したりする人がいる。このような相手は無視して構わないと保坂氏は言う。
「メールは便利なものではあるけれど、大事なものではない。コミュニケーションの基本は会って話すこと。それなのにメールの返事がすぐ来ない程度で文句を言うような人とは、つきあう必要はありません」
感情的なメールが届いたら、しばらく放置して様子を見る。返信は1日1通だけ、仕事関係であれば帰宅前にまとめて返信するなど、ルールを設けて、相手の勝手なペースに巻き込まれないようにしたい。
自慢ばかりする同僚
プライドの高さにつけこむと効果的
なるべく避けたいのが、自慢ばかりする人とのつきあいだ。しかし向谷氏によれば「実は扱いやすい相手」だという。
「頼みごとをすればいいんです。たとえば顔の広さを自慢する人には、『今度、その人を紹介してもらえない?』と頼む。そうするとそこまで親しくない相手はプレッシャーを感じるようになって、自然とこちらを敬遠するようになりますから」
プライドの高い人には「さすが、失敗することなんてないね」「◯◯さんに任せておけば、絶対に成功する」と徹底的におだてるのも有効だ。やはり相手から距離を置くようになるので、つながりは薄くなる。
パワハラ上司
心の中だけでもスッパリと断絶
どんなに縁を切りたくても、簡単には切れないのが上司との縁。それなら心の中だけでもスパッと縁を切ってしまおう。
「理不尽な説教をされていると感じたときは、自分の意識を上へ上げて、自分と上司を天井のあたりから見下ろしていると考える。2人の寸劇を眺めているつもりになってみてください」(保坂氏)
そして「この上司は部下を怒鳴っているな。昨日、夫婦ゲンカでもしたのかな」など、自分が説教されている状況を客観的に分析。叱られていても、まるで他人事のような感覚になり、大きなダメージを受けずにすむという。
浄土真宗本願寺派僧侶
1950年、広島県生まれ。週刊誌記者を経て、作家に。保護司。日本空手道「昇空館」館長。著書のテーマは人間関係術、ヤクザ、仏教など多岐にわたる。近著に『田中角栄の流儀』(青志社)。
保坂 隆
保坂サイコオンコロジー・クリニック院長
1952年、山梨県生まれ。慶應義塾大学医学部卒業後、同大学精神・神経科学教室入局。聖路加国際病院を定年退職し、2017年から現職に。