単独親権は親のエゴのため

「単独親権は憲法違反」と主張する法曹家もいる。婚姻に関連した有名訴訟を手がけてきた作花知志弁護士だ。

「現行民法で離婚後の単独親権が規定されているのは、共同親権にすると、離婚後も夫婦で縁が切れずにトラブルが継続してしまうから。一方、子にとっては、両親と交流しながら成長することなど、共同親権のほうが利益は大きい。つまり単独親権は、子の利益より親の不都合を優先した制度といえます」

なぜ親の都合を優先することが憲法違反なのか。ヒントになるのは、女性の再婚禁止期間訴訟だ。従来、女性の離婚後の再婚禁止期間は6カ月。しかし、平成27年12月16日、最高裁は大法廷で100日を超える部分について違憲とする判決を下した。

「従来、女性に再婚禁止期間を設ける目的は、(1)父子関係の重複を防ぐ、(2)父子関係をめぐる紛争を防ぐという2つでした。(1)だけなら期間100日で十分ですが、(2)の親の不都合を避けるため、多めの6カ月にしていたわけです。しかし、最高裁は(2)の目的で期間を長くすることは許されないと判断。翌年には民法が改正されました」

作花弁護士は、親権についても同じロジックが適用できるという。

「親子法は子の福祉や保護のためにあるもので、親の迷惑防止のための制度ではない。単独親権は親の迷惑防止の制度なので、訴訟になれば違憲と判断されるのでは」