小1からは母親も一緒に「百マス計算で遊んでいた」
夕食後の2時間の遊びタイムを習慣化したはるかさん。睦貴さんが小学校に入学してからはこれを勉強にスライドさせた。
「『よーし、始めるぞ』と私が独り言を言って、百マス計算をしたんです。『今日、ママは1分以内に終わらせるんだ』というと、『ボクも1分以内にやる!』と挑んできます。百マス計算に飽きたら、理科や社会のドリルなど。楽しいと思うものを組み合わせてやります。だから、1年生から毎日2時間くらいは勉強していました」
小学1年生から毎日2時間の勉強――。しかし、睦貴さんにとっては“お母さんとの楽しい遊び”だったから、無理なく続けることができたわけだ。
もともと子供にとって遊びも勉強も区別はない。それを親が楽しそうにやっていれば、楽しいと感じる。逆に、つまらないがやらなくてはいけないものと強いられれば、つまらなく感じるというものなのだろう。睦貴さんが「夕食後、毎日母が遊んでくれて楽しかった」と話すことからも、それがよくわかる。
親が「勉強をやりなさい」と口酸っぱく言っていると、子供の中では「勉強=苦役」のイメージができあがり、「勉強=遊び」と感じることができなくなってしまうのだ。
▼「遊び」が「学習習慣」に結び付いたポイント3
ここで、「遊び」が「学習習慣」に結び付いたポイントを整理してみたい。ポイントをクリアにするため、「×」でネガティブなポイントも整理した。
×ダラダラ遊び⇒集中力などの能力が育たない
×受け身の遊び⇒主体性が育たない
×勉強を強制される⇒勉強が苦痛になる
×時間のある時にやる⇒やったり、やらなかったり習慣化できない
夕食後、毎日何時間も子供の遊びに付き合うのは難しいという母親も多いだろう。そういう場合は、毎日、決まった時間に遊びに誘い、子供が夢中で遊び始めたら、邪魔をしないことを心がけるだけでもいいかもしれない。それが勉強で不可欠な集中力を鍛えることにつながるからだ。