「国際水準に近づくための一歩」と日経社説
次に日経新聞の社説(6月28日付)を読んでみよう。
見出しは「受動喫煙対策を着実に進めよ」と平凡だが、国の姿勢を厳しく批判している。
「例外のほうが多くなる政府の改正案は、国民の健康を守るという本来の役割を果たしているとはいいがたい。国の案がここまで緩くなったのは、自民党から強い反対論があったためだ。客足が遠のき売り上げが減少するという、飲食業界の反発は強い」
飲食店業界は自民党議員らの票田となっているのだろう。その票田を守るために規制が緩くなるようでは本末転倒だ。日経社説が指摘するように国民の健康を守るという本来の役割をどう考えているのだろうか。
たばこの害を他人に押しつけることは許されない
続けて日経社説は指摘する。
「都は受動喫煙対策の意義を丁寧に説明し、専用室の設置補助などを通じて理解を求める努力をしてほしい。公共の喫煙場所を増やすのも大事だろう」
「飲食店など人が多く集まる場所すべてに屋内全面禁煙を義務づける法律を持つ国は55ある。政府案より対象を広げた都の条例は、国際水準に近づくための一歩だろう。着実に実績を積み上げたい」
禁煙に成功した話を前述したが、禁煙すると、コーヒーがうまくなる。体の調子も良くなる。仕事にも前向きになれる。
たばこは発がん物資だ。体に悪い。繰り返しになるが、たばこの害を他人に押しつけるような「受動喫煙」は決して許されない。
(写真=AFP/時事通信フォト)