日大の根本的な体質は50年前と何ら変わっていない

闘争に参加した者のほとんどが高齢者になった。今でも酒を呑むと、当時のことを熱く語りだす日大出身者が多くいる。

たかが日大闘争、されど日大闘争なのである。

古田は柔道部出身で、現在の田中理事長は相撲部出身。ともにカネと強面を表に出して学内を牛耳ってきた。日大生やOBたちには失礼ないい方になるが、今回の問題でわかるように、日大の根本的な体質は50年前と何ら変わっていないように、私には思える。

ワンマン理事長の周りにイエスマンばかりを侍らせ、甘い汁をすすり合う。運動部の学生たちには絶対服従を強いて、何か事が起きると自分たちはしらを切り、逃げ隠れしてしまう。

田中理事長のカミさんが都内で小料理屋をやっているそうである。そこに何回も顔を出せば、理事長の覚えがめでたくなるため、理事たちが足繁く通っているという。これもヤクザの世界と同じであろう。

重要な事案があると理事たちをそこに呼び寄せ、密談して決めるというのだ。まさに側近たちによる“談合”で、学校が恣意的に運営されているといわれても仕方あるまい。

内田監督の辞任翌日、パチンコに興じた田中理事長

田中理事長は、日大関係者にいわせると、「余計なことはせず、ダンマリを決め込んでいれば、いずれ問題は風化していく」という処世術を権力闘争の中で身に着けたというが、まるで安倍晋三首相のようではないか。

『文春』(5月31日号)は、内田が監督辞任を発表した翌日、パチンコに興じている田中理事長の姿を撮り、グラビアページに掲載している。国から100億円もの補助金を受けている私学が、この惨状である。

日大の学生諸君! いまこそ第二の日大闘争を起こそうではないか。当時のように、否、それ以上に世論の支持はある。

メディアだけではなくSNSが発達した現在では、機動隊を突入させて催涙弾を撃ち込んだり、棍棒で学生の頭をかち割ったりするような暴挙は、簡単にはできないはずである。

日大教職員組合は田中理事長と大塚学長の辞任を求める要求書を出した。

ゲバ棒もヘルメットもいらない。学生たちが一斉に声をあげるだけでいい。理事長以下、日大を今のようにした者たちには退陣してもらおうではないか。

あの時の佐藤栄作のように、安倍首相がしゃしゃり出て来てこういうかもしれない。

「日大の理事長や理事の皆さんは間違ったことはしておられないと、私は思いますよ。私がやっていることを真似しただけですから」

ついでに、安倍首相の退陣要求もしてもらいたいものだ。(文中敬称略)

(写真=時事通信フォト)
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