実際、キャリジョ研の調査では「結婚した後、どのように働いていたいか」という質問に対して、「仕事は辞めて専業主婦になりたい」はなんと全体で6.3%。年代や地域を問わず、全体の1割に満たないのです。「寿退社」という言葉も、今では死語になりつつあるようです。背景には、一度辞めると再就職が難しいという事情もありますが、先の年収問題に関連して、専業主婦を養える男性が減っているのも大きいでしょう。

専業主婦になりたい気持ちはあっても、現実的には難しい、大げさに言うと「宝くじ当たらないかな~(当たるといいけど、まぁ当たらないよねぇ)」くらい、なりたくてもなれるとは限らない期待薄な存在になっているのです。

時代の流れとともに、自立的に働くことが当たり前になってきたキャリジョたち。ここからは、キャリジョの多様性の話に入る前に、まずはキャリジョの基本の「キ」として、キャリジョ全体としての仕事意識・仕事観について見ていきます。

“チャーム型”のワークライフバランス

仕事関連の意識で最も高かったのは「仕事をがんばるためにはプライベートが大事だと思う」の83.5%(全体)。これは都市部でも地方でも8割を超え、堂々多数派の結果となりました。ワークライフバランスという言葉が出てきて久しいですが、当然のことながら仕事一辺倒の生活はイヤなのです。また、「仕事よりもプライベートを優先したい」かどうかを聞いている質問への回答も、全体の65.8%がYES!と、半数を超えています。

ちなみに、仕事、恋愛・結婚(結婚生活)、趣味、人づきあいの4領域について「今後どの程度力を入れたいと思うか」を聞いている“貪欲度”についての質問では、仕事が54.1%、恋愛・結婚生活が71.8%、趣味が72.8%、人づきあいが57.9%。キャリジョたちは仕事以上に恋愛や結婚、趣味に力を入れていきたいと思っていることがわかります。

図1-1、1-4:博報堂キャリジョ研『働く女の腹の底 多様化する生き方・考え方』より。