SHISEIDOはロレアルやP&Gとグローバルで対等に戦える
海外事業も中国などアジアは好調だが、課題は欧米市場だ。米国では10年に買収したベアエッセンシャルが、のれん代などの減損損失を約1000億円計上。欧米事業でも16年にドルチェ&ガッバーナ(D&G)とフレグランス事業のライセンス契約を締結したが、前ライセンス保持者のP&Gがマーケティング投資を削減していた影響などを受け、市場シェアが低下している。
だが、ベアエッセンシャルについては本社の移転や直営店舗の閉鎖などで固定費を削減。同時にデジタルマーケティングを強化し、立て直しを進める。D&Gはブランド投資を復活させ、基幹コレクションの育成を進めている。いずれも19年にはその効果が出て上向いてくるとみている。
今後、資生堂がさらに飛躍するためには売り上げ500億円以上の大型ブランドの育成が必須だ。ロレアルやP&Gなどのグローバル企業は10以上保有する一方、資生堂は「SHISEIDO」など4つ程度。1000億円を超えるメガブランドも含め現状から複数追加していければ、グローバルで対等に戦えるポテンシャルは十分にあるだろう。
(構成=衣谷 康 写真=iStock.com)