偏差値デフレのわが子の学力をテコ入れする3つの法則

まずは(1)「達成可能な、現実的な目標設定をすること」から解説しよう。親の本音は、「偏差値は5でも10でも上がってほしい」だろう。現在小学校5年であれば、来年の中学受験に向けて、それくらい上げないと志望校に合格できないという焦りがあるかもしれない。

しかし、現実から乖離した目標設定をすると、無理が生じる。親の期待値が高すぎて子供の現実との乖離が大きくなれば、その差を不正で埋めようとカンニングや宿題のごまかしが起きる。

また、目標設定が現実から乖離すると、子供が自信をなくすなど精神的な不調に陥り、負のスパイラルに陥るかもしれない。「達成可能な、現実的な目標設定をすること」を意識してほしい。

次に(2)「できるだけ短期間に目標達成をさせること」である。金融緩和は10年も続けるものではないように、親の介入はあくまでも「偏差値デフレ」「成績デフレ」から脱却するために行うものだ。本来は、自発的に勉強し、結果を出せることが望ましい。だからこそ、期限を決めてそこまでは積極的に関わり、早期に目標を達成したい。

また、目標を達成したら、次は自分の力で勉強させたい。親の介入によって結果を出せたかとしても、さらにそれを続けていくと“バブル”状態を招くことになる。そうしたバブルはいずれはじける。親の介入なしに壁を乗り越える力をつけさせなくてはいけない。

親が関わらなければ、テストの結果が悪くなってしまうのではないかと思うかもしれない。成績が下がってもいいのだ。結果が出なければそこで子供と相談する。その結果、場合によってはまた親が関わればいい。

この「緩和と引き締めの繰り返し」によって、子供は自学自習の方法を身に付けることができる。これができる子は、中学受験の後にも成績が伸びていきやすい。

▼目標を達成したら親は「介入」を止めるべし
*写真はイメージです(写真=iStock.com/deeepblue)

最後は(3)「子供との対話を重視すること」だ。黒田総裁は政策の実施にあたって、「市場との対話」を重要な要素としてあげている。子供の教育においても、親子の対話は重要だ。

小学校高学年にもなると、そろそろ親の介入を嫌う子が出てくる。中途半端に叱ったり、勉強を促したりすると、「うるさい」「やろうと思っていたのに」とへそを曲げてしまう。だからこそ、関わるときにはしっかりと子供に向き合う場を設けて、誠心誠意、次のことを説明したい。

・具体的な目標、期限を定めること。
・目標を達成することが子供の人生にとって大事であること
・親が積極的に関わるが、目標を達成したら介入は止めること

これらを事前に説明して、子供が納得できる方向にもっていきたい。こうあるべきだという「規範」や「定形」だけでは子供は動かない。心に訴えかけ、納得感を持たせることが大切なのだ。

子供の自主性を尊重することは重要だ。ただ、私個人としては、現実の成績といったファクトやその子の精神状況を考えて、介入が必要であればそうすべきだと思う。経済政策であれ、子供の勉強であれ、状況を好転させるには機動的な判断が求められるはずだ。