僕の血圧は120/70mmHgくらいです。僕には糖尿病の遺伝体質がありますが、カロリー制限をしないのに、タンパク質たっぷりの食事と運動をしっかりやることで、血糖値もヘモグロビンA1cも、1度も異常値に近づいたことがありません。運動することで太ももから筋肉活動性物質が出るので、糖尿病の遺伝子があっても、やることをやっていれば大丈夫なのです。コレステロール値も中性脂肪も、完璧に正常です。1日1食飢餓療法とか、粗食がいいとかいう言葉にだまされないでください。食べない健康法は長続きしません。野菜とタンパク質をしっかりとって、減塩をして運動をするという大原則を忘れないようにしましょう。

長生きの合言葉「まごはやさしい」

僕が食生活の改善に取り組むとき、合言葉のように言っていたのは「ま・ご・は・や・さ・し・い」です。「ま」は豆、「ご」はゴマ、「は」は発酵食品、「や」は野菜、「さ」は魚、「し」はしいたけなどのきのこ類、「い」はイモ類。しかし、これで完璧ということはありません。「まごはやさしい」という食生活に、欧米型の食事のいい点に注目して、ほどほどの肉と乳製品を取り入れていくことが大切です。

鎌田實(かまた・みのる)
1948年東京生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業後、長野県茅野市の諏訪中央病院医師として、患者の心のケアまで含めた地域一体型の医療に携わり、長野県を健康長寿県に導いた。1988年に同病院院長に、2005年から名誉院長に就任。また1991年からチェルノブイリ事故被災者の救援活動を開始し、2004年からはイラクへの医療支援も開始。4つの小児病院へ毎月400万円分の薬を送り続けている。著書に『がんばらない』『あきらめない』『なげださない』ほか多数。新著『だまされない』(KADOKAWA)が刊行中。
(写真=iStock.com)
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