PC、スマホで酷使した目のケア方法
日常的に取り入れられる「目にいいこと」でおすすめなのは、屋外では紫外線100%カットの遮光メガネ(サングラス)をかけることです。可視光線で網膜に障害があるのは、ブルー系統の短い波長の光です。これを吸収するのが黄色い色素なので、レンズに薄い黄色系の色がついたメガネを選びましょう。
サングラスというと真っ黒いレンズを選びがちですが、瞳孔が開いてしまい、かえって周りからの反射光が通過してしまうので、レンズの色は薄いものを選んでください。
パソコンやスマホを見ることの多い人は、LEDのブルーライトを緩和するメガネは必須です。現代人はとかくスマホを見がちですが、時間があるときには、お湯につけたタオルを絞り、ビタミンBの入っている目薬を差して、目をつぶってから、タオルを目に載せて5分でも10分でもリラックスして目を休ませることも心がけてください。
コンタクトレンズ装用者には、自分が「患者」であるという認識を持っていただきたいですね。保存液を用いる2週間使用コンタクトなどでは、保存液のたんぱく除去や殺菌は期待できないし、水道水などを使うと感染症にもかかりやすい。洗浄液の代わりに水道水を使っていた患者が、水道水に含まれるアメーバー原虫による角膜炎にかかり、角膜移植が必要になったこともあります。管理をしなくていいという点では、1日使い捨てコンタクトが、安全性が高いと思います。
ハードコンタクトは角膜のカーブが変わってしまうので、角膜内障害になったり、レンズのエッジが目の挙筋の腱をこすり剥がして、瞼が下がる眼瞼下垂(がんけんかすい)になる人も多く見られます。
ハード、ソフトにかかわらず、コンタクトは必ず角膜への酸素不足になり、角膜の内細胞を破壊する可能性があります。1日最長でも8時間までを限度に、メガネを携帯し、少しでもおかしかったらコンタクトを外してください。
・どこから始まる?
アトピーや花粉症で目をかくのも避けたほうがいい。片目で見たときに視力の低下、ものがぼやける、色がおかしいと感じたら要注意。
・最悪の場合は?
病気を放置したり、技術のない眼科医を選ぶと失明に至ることも。早期に発見すれば、なにかしらの手術方法がある。
・予防・改善策は?
可視光線やブルーライトカットメガネの着用。目を休め、むやみに触らない。技術のある医師を探して定期的に診断を受ける。
深作眼科院長
米国やドイツで研鑽を積み、多くの最新手術法を開発し、米国白内障屈折矯正手術学会(ASCRS)で最高賞を20回受賞。著書に『視力を失わない生き方』『やってはいけない目の治療』ほか多数。