従来の診療科とは別の「専門外来」を掲げる診療所が増えている。「薄毛外来」「めまい外来」「アンチエイジング外来」……。名前は親しみやすいが、いきなり受診してもいいのだろうか。雑誌「プレジデント」(2017年1月2日号)の特集「医者の診断のウラ側」より最新事情を紹介しよう――。

専門性を打ち出し患者数を増やす!

内科、外科など、医療機関が都道府県に届け出を出し、看板やウェブサイトに掲示している診療科を「標榜科目」という。標榜してよい診療科は、医療法で定められている。一方、「専門外来」については、特にルールが定められておらず、各医療機関が独自に掲げている。

身近なクリニックの看板にも、専門外来の文字を見かけることが増えた。「もの忘れ外来」では、まずは医師が患者に問診を行うが、その前に患者の家族が相談に訪れることも多いという。

「専門外来を掲げる医療機関は、特に都市部で目立つ」と、医師でジャーナリストの富家孝氏は話す。