大病院に行くなら「紹介状」が必須に

大学病院や総合病院など、規模が大きい病院の専門外来は、「紹介状なしでいきなり受診するのは避けるべきです」と松井氏は言う。そもそも大病院は、地元の診療所(クリニック)などのかかりつけ医で診察を受け、より専門的な診察・治療が必要だと判断された場合に受診する病院と位置付けられているからだ。このため、「ほかの病院からの紹介状なしに大きな病院を受診すると、金額は病院によって違うが、初診に5000円以上が加算されます」(松井氏)。

また、病名などを自己判断して専門外来に行っても、その判断が間違っている可能性があるので「まずはかかりつけ医に診てもらい、そこで適切な専門外来に宛てて紹介状を書いてもらって受診するのがいいです」と松井氏は説く。

しかし、かかりつけ医を持たない人もいるだろう。松井氏は、「子どもがいる人は、健診や予防接種などで小児科にお世話になることが多いはず。小児科は地元のいい病院を診療科別によく知っているので、かかりつけ医にできる内科医院などを紹介してもらうといいです」と話す。「また、自分自身や家族の誰かが、大きな病院に行く機会があれば、そこの医師に、自分が住む地域の開業医を紹介してもらうのも手」と言う。大病院の医師は、日ごろから地域の開業医からの紹介状を見ているので、紹介状の書き方や、紹介された患者の治療歴などから、いいクリニックを知っている可能性が高いからだ。

専門外来の名前だけでは、どのような診断や治療を行っているか、わかりにくいこともある。その場合は診療科を見ると参考になる。専門外来を掲げていても、医療機関は必ず、何らかの診療科を標榜しているからだ。例えば、「薄毛外来」であれば皮膚科、「めまい外来」であれば耳鼻咽喉科が多い。「アンチエイジング外来」のように、内科や皮膚科、美容外科、形成外科、耳鼻咽喉科などさまざまな場合もあるが、診療科を見ることで、肌の美容の観点から治療をしているのか、内臓や血液など内科的な視点で診察・治療を行うかがわかるので参考になる。

専門外来は、事前に予約が必要なことが多いので、予約する際に診療内容を聞いてみるのもよいだろう。