かつて映画業界には「続編は興行収入が8掛けになる」という経験則がありました。ところが、最近人気のアメコミ映画は続編になるほど興収が増える傾向にあります。なにが変わったのか。初登場1位となった映画『ジャスティス・リーグ』から、ライターの稲田豊史さんが考察します――。
(c)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
『ジャスティス・リーグ』

■製作国:アメリカ/配給:ワーナー・ブラザース映画/公開:2017年11月23日
■2017年11月25日~10月26日の観客動員数:第1位(興行通信社調べ)

冒頭から「スーパーマンが死んでいる」

バットマン、スーパーマン、ワンダーウーマンといったアメコミ(アメリカンコミック)のスーパーヒーローたちが集結してド派手なアクションを繰り広げる『ジャスティス・リーグ』が、初登場第1位に輝きました。本作はタイトルに「2」とか「3」といったナンバリングは振られていませんが、れっきとした続編です。

映画が始まると、スーパーマンが何らかの事情で死を遂げており、アメリカ中が追悼ムードである状況がいきなり描かれます。事情を知らない人はついていけませんが、それもそのはず。本作は、16年に公開された『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』の直接的な続編なのです。