2017年の「新語・流行語大賞」の候補が発表された。選ばれたのは「忖度」や「ちーがーうーだーろー!」など30語。だが、「忖度」が働いたのか見逃されてしまったものも多い。そこで漫画家でコラムニストの辛酸なめ子さんに、「極私的ウラ流行語」を選んでもらった。年末だから思い出したい11語とは――。
「新語・流行語大賞」が見逃した、人々をザワつかせた言葉11
今年も「ユーキャン新語・流行語大賞」(「現代用語の基礎知識」選)の候補が発表されました。しかし、大人の忖度が働き、入るべき言葉が入っていない印象も受けます。個人的な意見ですが、2017年の「ウラ流行語」を挙げさせていただきます。
▼「出家上等」
もはや記憶が薄れがちですが、女優・清水富美加さんの出家のニュースが今年初頭、世間を騒がせていました(5月に幸福の科学に出家)。『全部、言っちゃうね』(千眼美子名義)という 本のタイトルや、彼女が芸能界に疲れた時に発した「ペフペフ病」など、パワーワードが多かったです。
▼「ゲスきのこ」
その清水富美加さんがかつて不倫していた相手は、バンド「KANA-BOON」の飯田祐馬氏でした。飯田氏のヘアスタイルは、タレントのベッキーさんと浮気したバンド「ゲスの極み乙女」の川谷絵音氏と同じマッシュルームカット。そのため2人はまとめて「ゲスきのこ」と呼ばれたことがありました。髪型が旺盛さを表しているのでしょうか……。
▼「つなぎ融資の女王」
「つなぎ融資の女王」こと自称エリコさん(5月、出資法違反で国際手配され、うその投資話を持ちかけて金をだまし取ったとして詐欺罪に問われている山辺節子被告=62歳)も今年前半話題でした。肩だし、ショートパンツ、リボンのカチューシャが忘れられません。60代でもぶりっ子のしぐさである“あひる口”ができるという女の可能性を感じました。「自称38歳か39歳」というざっくりとしたワードも忘れられないです。30歳以上も年下のタイ人の恋人は逮捕されたあとも、「僕は君を愛している。負けないで」などとメッセージを送っていたそうです。実はリア充なのかもしれません。
▼「祈ります」
安倍昭恵首相夫人と森友学園の元理事長・籠池泰典氏(8月、国の補助金をだまし取った容疑で逮捕)の妻・諄子氏とのメールのやりとりで、何か突っ込まれると「とにかく祈っています」「私には祈ることしかできません」と「祈り」に逃げるスピリチュアルな昭恵夫人。これはいいと思い、困った要求をされた時など私も「祈ります」を使わせていただきました。