「小池人気」にすがった民進議員は深く反省を

「出席者からは『即刻辞めるべきだ』などと、前原氏への批判の言葉が相次いだ」

「だが、合流方針については、参院議員を含めて、先月下旬の両院議員総会において拍手で了承していた。節を曲げてまでも、希望の党の小池代表の人気にすがったのではなかったか。まずは、自らの対応を反省すべきだろう」

その通りだと思う。沙鴎一歩はこの読売社説の主張に大きな拍手を送りたい。最近の読売社説は「安倍政権の御用新聞」という殻を脱いで、ようやくバランスが取れてきたように見える。

続いて読売社説はこう筆を進めていく。

「民進党内には、立憲民主党などとの合流を含め、野党の再々編を求める意見がある」

「野党勢力の将来の結集自体は否定すべきではない。だが、党勢の低迷が続いた民進党が、不人気な党の看板を隠して衆院選に臨み、その直後に手のひらを返したように再結集を図るのは、有権者の理解を到底得られまい」

これもその通りだ。政治は国民のためにある。有権者あってこその国会議員だ。

ズバリ「小池氏の認識は正しい」と読売社説

小池氏の希望の党について読売社説はどう書いているだろうか。

「小池氏が国政から距離を置くことで、民進党出身者が党運営を担うことになる。来月にも共同代表を選挙で決めるという」という事実を紹介したうえで、こう指摘している。

「看過できないのは、小池氏の求心力低下を見計らって、党が掲げる憲法改正や安全保障関連法の容認を反故にしようとする動きが、公然と出てきたことである。選挙中だけ自らの主張を封印したと勘ぐられても仕方あるまい」

憲法改正や安保が大好きな保守の読売新聞らしいといえば、そうなのだが、一度決めたことをすぐに変えようとする「民進党出身者」への批判は、筋が通っている。

そしてズバリと、「『将来、政権交代しても、外交・安保政策は継続させるべきだ』とする小池氏の認識は正しい」と書く。

衆院選前、希望の党の立ち上げに対して、読売社説はかなり批判的だった。しかし小池氏の「外交・安保政策は継続」という姿勢は大きく評価している。大新聞社といわれるだけあり、かなりの余裕を感じさせる。