睡眠を「一日のご褒美」と考えている人は、一流にはなれない。一流のビジネスパーソンは、睡眠を「投資」と捉えて、「明日のためには、どう眠ればいいか」と未来志向で考える。だからといって、睡眠時間を増やせばいいわけではない。8項目のチェックリストから「一流の睡眠法」を確認していこう(全9回)。
Q.睡眠時間を確保しているのに疲れが残る。どうしたらいいか
A.通勤中に寝るのをやめる
B.寝具を変える
二重の影響でスマホに要注意
睡眠時間を確保していても疲れが取れないのは、布団に入っていても実際は眠れていない、つまり睡眠効率が低い可能性があります。考えられる原因はいろいろあります。睡眠効率を低下させる代表的な習慣をいくつか紹介しますので、そこから見直してみましょう。
まず、睡眠前のスマホは厳禁です。スマホから出るブルーライトは、眠気を誘うメラトニンの分泌を乱れさせます。また、コンテンツがおもしろいと、興味をそそられて脳が覚醒していきます。二重の影響で入眠を妨げるので、就寝の2時間前にはスマホに触れることをやめたいところです。
通勤に電車を利用している人は、帰宅時の車内での「うっかり寝」に注意してください。睡眠の中でもっとも深い眠りは、その日初めて寝たときに出やすい。帰りの電車の中でそれを先取りしてしまうと、帰宅後、睡眠のリズムが崩れて寝つきづらくなったり、眠れても眠りが浅くなりがちです。通勤時間や体力との相談になりますが、うっかり寝を避けるには座らずに立ったまま帰ったほうが無難です。
最寄り駅に着いたら、コンビニには立ち寄らずに帰宅することをおすすめします。コンビニは商品をきれいに見せるため、照度2500ルクス以上の非常に強い照明を使っています。明るい照明は、ブルーライトと同じくメラトニンの分泌を乱しがちです。また、余計なおやつを買って寝る前に食べるのもよくありません。遅い時間に食事を取ると、消化吸収しきれずに逆流性食道炎を引き起こしやすくなります。逆流の症状があると寝つきが悪くなり、睡眠効率は低下します。
※次回更新は9月18日の予定です。
裴 英洙(はい・えいしゅ)
医師・医学博士、MBA。ハイズ代表取締役社長。金沢大学医学部卒業、金沢大学大学院医学研究科で博士課程を修了。慶應義塾大学大学院経営管理研究科修士課程修了。著書に『一流の睡眠――「MBA×コンサルタント」の医師が教える快眠戦略』など。
医師・医学博士、MBA。ハイズ代表取締役社長。金沢大学医学部卒業、金沢大学大学院医学研究科で博士課程を修了。慶應義塾大学大学院経営管理研究科修士課程修了。著書に『一流の睡眠――「MBA×コンサルタント」の医師が教える快眠戦略』など。
(構成=村上 敬 撮影=尾関裕士)