睡眠を「一日のご褒美」と考えている人は、一流にはなれない。一流のビジネスパーソンは、睡眠を「投資」と捉えて、「明日のためには、どう眠ればいいか」と未来志向で考える。だからといって、睡眠時間を増やせばいいわけではない。8項目のチェックリストから、「疲れの取れる眠り方」を確認していこう――(全9回)。
人間の「疲労」には3種類ある
睡眠不足で集中力を欠き、ミスを連発してしまう――。睡眠が仕事のパフォーマンスに影響を与えることをビジネスパーソンは経験的に知っていますが、そのことは医学的にも説明ができます。
人間の疲労は3種類あります。1つ目は肉体的疲労です。肉体的疲労とは、筋肉を動かすためのエネルギーが不足している状態。車でいえばガス欠です。
2つ目は精神的疲労です。人間関係などのストレスで気分が沈んだりイライラしたりすることがあれば、心が疲れているサインです。
そして3つ目が、神経的な疲労です。長時間のデスクワークなどで緊張状態が長く続くと、眼の神経や脳に疲労が溜まって注意力が散漫になったり、物覚えが悪くなったりします。これらの疲れが密接に絡み合って、人間のあらゆる活動のパフォーマンスを低下させていきます。
これらの疲れすべてのメンテナンスに関係しているのが睡眠です。たとえばお風呂は筋肉の疲れに効果的ですが、脳の疲れが完全に取れるわけではありません。心のストレスはカラオケで発散できますが、体にはむしろ負荷がかかるかもしれません。一方、睡眠は万能選手。しっかり眠ることで、体、心、脳のメンテナンスがまんべんなくできます。