「億トレーダー」でも大損失の経験あり

株式投資やFXで億円単位の資産を築いた個人投資家は、ほとんどと言ってよいほど、非常に大きな損失を被った経験を持っている。それでも諦めずに、トレードの研究を重ねた人が、億トレーダーの切符を手にするわけだが、それはほんの一握りだ。

こうした失敗の経験をした後、億トレーダーへの道を諦めるにしても、その道を究めるにしても、若い頃から始めたほうがよいのは、失敗して大損失を被ったとき、精神的にも経済的にも立ち直るための時間的な余裕があるからだ。

しかし、50代でトレードに失敗し、手持ちのお金の大半が吹き飛んだりしたら、そこからトレードを研究して、損失を取り戻そうとしても、時間的な余裕がないし、精神的なショックも大きくなる。20年、30年と働いて、何とか積み上げた資金が、トレードの失敗で、一瞬のうちに失われてしまったときのショックは、筆舌に尽くしがたい。50からの手習いで、株式投資やFXに手を出すのは、やめておくのが無難だ。

複数回にわけて投資信託を買う

もちろん、だからといって、投資全般を諦めろと言っているのではない。50代は、50代に合った投資の仕方がある。それは投資信託の積み立てだ。

仮に手元に1500万円の貯蓄があり、そこからある程度の資金を投資信託に振り向ける場合も、一括で買うのではなく、複数回にわけて購入する。その際に、NISAを活用すれば年間120万円の非課税枠があるので、毎月10万円ずつ12回にわけて購入する。

現行のNISAは、2023年まで利用できるので、18年1月から始めれば、NISAの上限額である600万円を23年中に達成できる。

来年1月からスタートする予定の「つみたてNISA」なら、年間の非課税枠は40万円までだが、38年までの20年間、制度を活用できるので、総額800万円まで投資信託を積立購入でき、かつ発生した収益は非課税になる。なかでも世界中の株式市場に分散投資するグローバル型の投資信託がお勧めだ。

【関連記事】
退職金&財産運用は「行動経済学」を学べ
“人生最後の20年”に泣く人の財布の習慣
給与減でも安心「月5万からの副業」30選
幸福度の要因は"資産"より"昼と夜の営み"
根拠なし"長生きしないから大丈夫"のワナ