三流企業の会議は、発言しない出席者がたくさんいる
一流企業の会議は、最少人数しか出席しない
会議の場でなかなか発言しない人がいる場合、その会議は出席者の人数が多すぎるのかもしれません。
こんな実験があります。
1人から、2人、3人……8人まで人数を変えて、被験者たちに全力でロープを引っ張ってもらいました。
結果、
1人の場合……1人あたり63キロ
3人の場合……1人あたり53キロ
8人の場合……1人あたり31キロ
の力でロープを引っ張っていることがわかりました。
1人の場合と8人の場合では約2倍もの差が出ています。
(参考 農業工業学者マックス・リンゲルマンの実験)
本人たちに手を抜いているつもりはないのですが、何人かで同じ作業をしていると、無意識に「ほかの誰かがやってくれるだろう」という依存心が生まれ、力を手加減するという現象が起きるのです。
ユニクロを運営するファーストリテイリングの社長・柳井正氏は「少人数の打ち合わせで仕事を前に進めることが大事」といいます。
10人集まっても発言する人が2人であれば、あとの8人はそこにいなくてもいいし、あとで議事録を共有できればそれで事足りる、という考えです。
チームで動かなければならない場合には、仕事に取り掛かる前に、一人ひとりの責任範囲を明確にしましょう。
「自分一人くらいいなくてもいいだろう」という状況から「自分がいなくてはダメだ」という状況に変えることで、一気に生産性が高まるはずです。
三流企業は会議資料を作り込む
一流企業は、資料作成に時間をかけない
会議でなかなか意思決定が進まない場合、会議の準備自体に時間を掛けすぎている可能性があります。
こんな実験があります。
Aチームの被験者には、すぐに数学の問題を解いてもらいます。
Bチームの被験者には、ペンの色、好みのTシャツ、大学の講座などの「選択」をさせた後に、数学の問題を解いてもらいます。
すると、Bチームの方がミスが多く、あきらめも早いという結果となりました。
(参考 ミネソタ大学 心理学者キャサリン・ボスの実験)
つまり事前に考えすぎたり、分析をしすぎたりしてしまうと、行動力や思考力が鈍っていく傾向にあるということです。
アマゾンでは、社内会議でのパワーポイントの使用を禁止し、6ページの意見書を採用しています。
あくまでも、意思決定をするための場所が会議なのに、パワーポイントに資料をつくることや、理解することに消耗すると、意思決定が進まなくなってしまうからです。