英語でのプレゼン成功に導くポイントとは?

経済のグローバル化で、欧米人を相手にプレゼンテーションをする機会も増えた。しかし、「英語版の資料を入念に用意したのに、取引先の心を掴めない」と苦慮するケースが後を絶たないようだ。そうしたすれ違いが生じる要因について、船津さんは「日本語と英語の発想が全く違うからです」と明言する。

「日本人は、物事を日本語で考え、それを英語に置き換えようとします。和文は、『私は教師です』というように、主語と述語が同格のパターンが中心。そのため、たとえば『あなたの仕事は何ですか』という質問文の場合、『What's your occ upation?』といった具合に『be動詞』を使って英訳しがちです。ところが、英文は一般動詞が中心なので、『What do you do for living?』というように『do』を使うのがふつう。ネイティブにも通じる表現をするには、英語の発想に慣れるしかないでしょう」

自然科学研究機構生理学研究所教授の柿木隆介さんも「日本人は名詞主体の文章にする傾向があります。動詞を主体に考えましょう、たとえば『私はストレッチをしています』なら、『I'm doing a stretch』ではなく、『I'm stretching』でいいんです」と話す。

プレゼンの方法については、日本人は結論を最後に持っていきたがるが、塚本さんは「まず結論、次に説明、最後にダメ押しの結論という構成にしないと、欧米人は理解できません。間を空けて、ゆっくり話すのもコツです」とアドバイスする。

 
塚本 亮
ジーエルアカデミア代表取締役。偏差値30台から独自の勉強法で同志社大学に入学。卒業後ケンブリッジで心理学を学ぶ。帰国後、心理学の知見と自身の経験を活かした英会話学校のジーエルアカデミアを設立。
 
船津 洋
児童英語研究所社長。1965年生まれ。米国カンザス州の大学で学んだ後、右脳教育の第一人者の七田眞氏に師事し、児童英語研究所に入社。著書に『子どもの「英語脳」の育て方』などがある。
 
後藤秀機
元帝京平成大学教授。1943年、東京生まれ。神経生理学者、医学博士。早稲田大学理工学部卒、東京工業大学大学院修了。著書に『先端脳科学者による1ヵ月かんたん英会話脳トレ』がある。
 
柿木隆介
自然科学研究機構生理学研究所教授。1978年、九州大学医学部卒業。ロンドン大学医学部研究員などを経て、2004年より現職。専門は神経科学。著書に『記憶力の脳科学』『どうでもいいことで悩まない技術』などがある。
 
ニック・ウィリアムソン
カリスマ英会話講師。シドニー大学で神経心理学を専攻。卒業後、東京学芸大学に研究生として来日。TVの司会も務める。著書に『中学レベルの英単語でネイティブとペラペラ話せる本』などがある。
 
(撮影=加々美義人、熊谷武二)
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