いつまでたっても「空耳アワー」で困っている

TVの深夜番組「タモリ倶楽部」に、「空耳アワー」という人気コーナーがある。洋楽を聞いて、面白い日本語に聞こえたフレーズを視聴者が投稿するものだ。その内容を聞いて、笑い転げたことのある読者も多いだろう。しかし、「英語が英語に聞こえない」という日本人の“笑えない”弱点を、見事に逆手に取った企画だともいえる。

脳科学を長年研究してきた元帝京平成大学教授の後藤秀機さんは「日本人は、脳のウェルニッケ野(※)に“日本語の辞書”ができていて、英語を聞いても、それに近い日本語と勘違いしてしまうんです。空耳アワー脱却には、そこに“英語の辞書”を追加する必要があります」という。そのためには「英語を音読すること。自分の声は、体内の骨伝導で精密に脳に伝わるので、耳で英語を聞くよりも断然効果的です」と勧める。