「相当詳しいのだな」と感じさせる

お金の使い方も上手です。前述のとおり、「こだわり」があるものには出費を惜しみません。お茶会の和菓子は老舗からの取り寄せ、着物は老舗中の老舗に仕立ててもらうという話を、嫌みなくさらっとされる方がほとんどです。また、ブランド品はブランドショップで定価で買い、デパートの商品は外商部に自宅まで商品を持ってきてもらいます。だからといって、高級品ばかりを買うわけではありません。日用品はスーパーで買いますし、「今日はお客様が大勢いらっしゃるから、コストコに食料品の買い出しに行く」ということもあります。お金を使う場合の目的意識が明確で、それに適したお店を使い分けられるのも、堅実な資産家らしい行動といえそうです。

「こだわり」のなかには、「自分の趣味」も含まれます。茶道や華道をなさっている方もいれば、愛犬に愛情を注いでいる方もいます。草木を眺めながら散歩をするのが好きな方もいます。

趣味の内容はさまざまですが、多くの方がそれを極めていて、生活のそこかしこにそれが反映されています。世間話で趣味を話題にされるだけでも、「相当お詳しいのだな」と感じさせるレベルの方が少なくありません。

「資産に働いてもらう」重要性を理解している

運用方法も堅実です。金融資産は国際分散投資が大前提で、保有する企業も、長い目で見て成長が期待できる国際優良企業や、安定配当が期待できる企業を選んで分散投資しています。そのような銘柄をご両親から相続し、ゆくゆくは子どもにも持たせたいと考える方が多いのも、資産家ならではといえるでしょう。

なかには、資産の一部でトレードを楽しむ方もいます。例えば、ある方は、商品(コモディティ)価格が上昇する前にいち早く購入し、価格が上昇したタイミングでしっかり利益確定していらっしゃいました。豊富な人脈から「本当にいい情報」だけが入るため、いわゆる“目利き”になれるのでしょう。もちろん、金融資産の大半をトレードにつぎ込んだりして、リスクを取りすぎる方はいません。