生命保険の活用も上手

ご家族の資産、つまりファミリーのマネーを運用する会社をつくっている方々もいます。会社にすることで運用にかかる費用を経費にしたり、息子や娘をその会社の社員にすることで節税につながるだけでなく、家族全体で資産を守るという意識を高めることにもつながるのでしょう。ほとんど使わないけれど「手放したくない」国内の別荘や海外の不動産も、賃貸事業をすればキャッシュフローを得ることもできます。これによって、一家の大黒柱に万が一のことがあっても遺された家族の生活を守れるという安心感も得られます。だから「先祖代々の資産を売らずに守る」という判断がなされるのでしょう。“資産に働いてもらう”という考え方が身についているのも、資産家ならではの特徴です。

写真=PIXTA

生命保険の活用も上手です。保険会社も資産家の方々には「定期付き終身保険」や「アカウント型」のような商品でなく、その家族に適した優良な保険を紹介しているのだとは思いますが、しっかりと保険にも入っている方が多いように見受けられます。非常にスマートな資産運用ができているのも、資産家の共通項といえるでしょう。

できない約束ははじめからしない

忙しい人が多いにもかかわらず、スケジューリングがきちんとできていて、あたふたした印象がない人が多いのも資産家の特徴です。どんなに忙しくても誰かと会食する場合には、ゆっくりと食事と会話を楽しむ。忙しさをアピールするかのようにスマートフォンをチラチラ見るようなマネは、絶対にしません。そんなことをしたら、「早く食事を終わらせよう」と相手に気をつかわせますし、そもそも失礼です。「できない約束はしない」という話もよく聞きます。

話題が豊富な人が多いものの、自分ばかりが話すことはありませんし、ましてや仕事上の成功談をすることもありません。「相手をいやな気分にさせない」「楽しんでもらう」ことを大切に考えているからでしょう。何度もお目にかかっているのに、新たな発見があり「奥が深い人だな」と思わせる方も多いように思います。

(構成=大山弘子 撮影=坂本道浩 写真=PIXTA)
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