結局、長女が「了承」しないと、貯蓄は底を突く
(3) 相続割合 長男6:長女4
それでも、長男の貯蓄が底をつく可能性がありましたので、奥さんが亡くなられた際の相続割合を長男6:長女4としました。すると、長男が80代の間は貯蓄がもつ計算となります。もちろん、これは長女が了承してくれることが前提となります。それまでの間に、長女に協力してもらえるように、関係性の改善が必要になります。
聞けば、長女も状況はよく承知しているようでした。あとは気持ちの問題です。ご両親が亡くなった後、「積極的に兄をサポートする」という気持ちにはならなくても、「何かあったら私が面倒を見なければ……」という覚悟はもってもらいたいものです。残念ながら、長男に関係改善の協力はあまり期待できません。親が長女(と長女の夫)の理解を得られるように働きかけることが大切です。
母親「今度、旦那や孫もいっしょに食事に誘ってみようかしら」
父親「家では難しいから、落ち着いて話ができるお店を探してみよう」
「親亡き後」は、まだ先のことです。しかし、気持ちの問題はすぐに変わるわけではありません。時間をかけて関係改善を図る必要があります。それが、自分たちがいなくなった後の心配を減らすことにつながります。