両親亡き後のひきこもりの世話は誰がするのか?

手塩にかけて育てあげたわが子。立派な人間になってほしいと教育費も人並み以上にかけた。就職活動時は不況で大変だったけれども、なんとか内定を獲得した。そんな息子を誇らしく感じたが……、社会に出られなくなってしまった。

写真はイメージです

ご両親の気持ちを考えるとたまらなくなります。

ひきこもりのいる家庭では、両親の関心は、どうしてもひきこもりのお子さんに注がれてしまい、そうではないお子さんは疎外感を受けることがあります。さらに、ひきこもりの家族がいるということでの苦労もあり、兄弟姉妹の関係が悪いケースが少なくありません。

さらに、両親亡き後にひきこもり本人の身の回りのサポートをするのは、どうしても親族である兄弟姉妹となります。兄弟姉妹の間で感情的なもつれがある場合、本人の生活環境も大きく変わってしまいます。ひきこもっているりのの生活を考えると、兄弟姉妹が気持ちよくサポートできるような状況にしておく必要があります。

このような話をしていく中で、ご夫婦の気持ちにも変化が現れてきました。ご主人はこう話しました。

「今まで長女をないがしろにしてきたつもりはありませんが、しっかりしているだけに安心して、長男ばかりに目が向いてしまっていたようです」

ひきこもり長男を路頭に迷わせないための家計改善点3つ

私からは改善案として、次の3点をご提案しました。

(1)生活費の1割減

まずは、ご主人が退職した時点で生活費を現在よりも1割減らすことです(現状は、マンションの管理費などを除いた支出は月額30万円)。減らせない項目もありますので、1割と言っても簡単ではありません。しかし、リタイアとともに生活スタイルの見直しができれば、十分に実行可能と思われます。

(2)長男の住み替え

もう1つは、ご両親が亡くなった後での長男の住み替えです。一人暮らしなら、現在の住まいは広すぎます。自宅を売却して中古のワンルームマンションを購入すれば、差額が残り、長男のその後の生活費にあてることができます。それには、あらかじめ長男に住み替えの必要性を理解してもらうことと、長女の協力が必要となります。